自炊を続けるコツは“自由さ”だった|私が自分のために料理をつくる理由
自炊を続けるコツは、シンプルに、料理を自由に楽しむことかもしれません。
長年自炊を続けてきた私にとって、自炊は、自分の「食べたい」を、その日の気力や体力に合わせて叶えてあげる。ただそれだけのものだったりします。
この記事では、「自炊が続かない」「料理は苦手」そんな方に向けて、私なりの自炊の続け方のコツをご紹介したいと思います。
▼目次
自炊を続けるコツは「どれもおいしい」と気づくこと
「料理はわりと好きです」
それを口に出すと、時折「すごいですね」「私は自炊を全然しないので……」といった答えが返ってくることがあります。
私は長年、このやり取りが不思議で仕方ありませんでした。
なぜなら、そうおっしゃる方の手元には明らかに手作りのお弁当。
普段何を食べるのか尋ねてみると、「パスタを茹でたり」「うどんをレンジでチンしたり」。
謙遜されているわけでもなく、彼らは本気で「自分は自炊をしていない」と信じ込んでいるようでした。
私に言わせれば、食材に何かひとつでも手間を加えれば、それはもう立派な料理です。
袋麺を解凍するのも、冷蔵庫から納豆を出すのも。
「自分のために用意した」というその事実だけで、卓上の食品は私のための大切な料理なのです。
けれど、どうやら世間一般では、料理というのは非常にハードルの高いものに設定されているようです。
「パスタもうどんも立派な料理ですよね」と言うと、「いやいや、それは料理とは言わないでしょう」と厳しすぎる返事が返ってきます。
年齢を重ねるにつれ、世間の人々は私以上に自分自身に厳しいのだなということに気づき始めました。
そんな私の日々の料理はといえば、世間一般の方から見れば「それって料理?」と思われるようなものが大半だと思います。
元々ものづくりが好きで、食べることも好きな私ですから、その合わせ技のような料理には、若い頃から自然と惹かれていました。
とはいえ、毎日料理を作って食べるだけで一日が終わるわけではありませんから、日常はなるべく簡単で、そこそこおいしく食べられるものを用意することになります。
ですが、私に言わせれば、そこが料理のいいところだと思うのです。
そもそも、国内で流通している食材の大半は、そのままでも十分おいしくありませんか?
私は、豆腐も納豆もレタスもトマトも、すでにそのままでありがたいほどおいしく感じます。
加熱が必要なものはもちろんきちんと加熱することが前提ですが、素材が最初からおいしいのですから、あとは「どれだけ手を加えるか」というだけの話です。
物事の大半は「できた・できなかった」で評価される世知辛い世の中ですが、私にとって料理は違います。
「おいしい」
「もっとおいしい」
「さらにおいしい」
「これはこれでおいしい」
極端に言えば、私にとって料理とはそういう世界なのです。
手を加えてもいいし、加えなくてもいい。
それぞれに違ったおいしさがある――その自由さこそが、私にとって料理の大きな魅力のひとつです。
自炊は自由な発想で楽しむ
また、工夫の余地がどこまでも広いところも好きです。
正解がない分、好きな食材を組み合わせて、好きな方法で調理してみるのも個人の自由。
そんな実験をしていると、もちろん失敗することもあるかもしれませんが、大丈夫。食べるのは自分自身です。いつもおいしくいただいています。
とはいえ、経験で勘が働くようになるのか、あるいは私が幸せな舌を持っているのか、幸いなことにこれまで一度も「まずい」と思うものを作り上げたことはありません。
そんな性分なので、レシピを見て作る際も、最初から最後まで忠実に作った試しはほとんどありません。
今ある食材に置き換えたり、ない調味料を別のもので代用したり。
それでも、出来上がったものを口に運ぶと「それなりにおいしいな」と思えます。
料理というフィールドは、ものづくり好きな人間の自由な発想を、遺憾なく発揮できる場所なのではないかと感じています。
自分の「食べたい」を叶えるために料理する
そして最後に、私にとって一番重要なのが、自炊とは、自分の「こんなものが食べたい」という気持ちを、とても繊細な精度で叶えてあげられる手段だということです。
私は自分の望みは、それがどんなものであれ叶えてあげたいと思っているので(もちろん周囲のことも考え、公序良俗に反さない範囲内で)、日々「今日は何が食べたいだろう」と考えます。
すると日によって、
「味の薄いわかめが入ったお味噌汁」
「醤油辛いピーマンとキャベツが入ったラーメン」
といった、少々細かい注文が返ってくることがあります。
それは外食ではなかなか叶えられません。
また、
「さっぱりしたトマトっぽいもの」
「ハーブの香りがする鶏肉」
のように、ふんわりしたオーダーのときもあります。
そうなると尚更、自分を「そうそう、こんなの」と喜ばせてあげられるものを錬成できるのは、世界でただひとり、自分だけということになります。
無理なく自炊を続けるために、手間をかけすぎない
とはいえ、ものぐさな性格ですので、そう大したものを作るわけではありません。
白状すれば、普段は10分程度で作れるようなものがほとんどです。
気が向けば手の込んだものを作ることもありますが、私にとって自炊は、必ずしも時間や手間をかけるのがベストというわけではありません。
その日の自分の気持ちを、その日の自分の気力や体力が許す範囲でゆるりと満たしてあげられる――そんな儀式なのだと思います。
「今日は簡単なものでいい」と思ったら、簡単なものを作る。
少し余裕がある日には、いつもより手をかけてみる。
そのくらい自由でいられるからこそ、私は自炊を細く長く続けてこられたのかもしれません。
これからも、自分のための料理を、無理のないペースで楽しんでいければいいなと思っています。
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